工学院大学新聞会のニュースサイト

プレ八王子祭で開催された「赤ずきんちゃんには騙されない」を取材しました

2023/02/02
 
この記事を書いている人 - WRITER -

先日、プレ八王子祭にて学科連合委員会が開催した劇「赤ずきんちゃんには騙されない」を取材させていただきました。

物語はもちろんのこと、演技や衣装もしっかりと作り込まれていてとてもクオリティが高かったです。登場人物は少ないですが、その分一人一人のキャラがよく立っていたり話の展開がわかりやすかったりと、見応えのある劇だったのではないかと思います。

そんな劇の始まりは、語り部の男があるオオカミの物語を話そう、とお客さんに呼びかけるところからでした。

オオカミと赤ずきんが花畑で遊んでいると、途中でどこか様子のおかしくなった赤ずきんが「砂浜にある真珠が欲しい」とオオカミに頼み、そのまま帰ってしまいます。

訝しみながらも、赤ずきんの頼みならとオオカミは砂浜に向かいました。そこで出会ったのが海賊ショーンです。初めはオオカミにおびえて強気に襲いかかったショーンが、オオカミに剣を取られた途端弱気になったシーンは王道ながら面白かったです。その後、オオカミが生来のベジタリアンだと聞いて安心したショーンは、持っていた宝の地図を使いオオカミと協力しながら宝を探そうとします。

宝の地図に書かれていた暗号を解いてなんとか宝箱を見つけ出した二人でしたが、宝箱は開きません。そこで再び暗号を読み解いて開けようとした二人は、ここにいる人にも協力してもらおう、ということでお客さん参加型クイズが始まりました。

クイズはよく考えられており、ちょうどいい難易度でした。一問目は少し難しく難航している様子でしたが見事に正解でき、二問目も無事に終えた二人には豪華な景品、プラネタリウムが贈られました。

そうして無事に宝箱を開けることができたオオカミとショーンでしたが、残念なことに宝箱の中身は空でした。仕方なくショーンと別れオオカミが戻ると、友人であるピノキオと出会います。ピノキオに「赤ずきんちゃんの様子がおかしかった」と伝えましたが、二人で考えても理由はわかりません。そこに偶然やってきた赤ずきんはオオカミが生きていることに驚き、しかし次は森にあるキノコが食べたいと言います。

そして森にやってきたオオカミはキノコを見つけましたが、空腹が酷く、少しならとキノコを食べようとしました。しかしその直前、赤ずきんが言っていたキノコが毒キノコだと気づいたピノキオが止めに来ます。そしてそんな危ないものを頼んだ赤ずきんはやはりおかしいのではないか、と思ったピノキオは自身の「嘘をつくと鼻が伸びる」という特徴を生かしてオオカミを説得しました。「さっき会ったのは赤ずきんである」と言われたときにピノキオの鼻が伸び、それによってオオカミも赤ずきんが偽物であると確信します。

偽物であることに気づいた二人は、偽赤ずきんのもとへ向かい問い詰めました。初めはしらを切っていた偽赤ずきんでしたが、ピノキオの鼻が伸びたこと、そして本物の赤ずきんなら花を大切にするしどの花にどの蝶が止まるか知っているはずだ、というオオカミの言葉に言い逃れできなくなり、自分は黒ずきんだと明かします。

正体がばれたことで今まで以上に険悪な態度を示す黒ずきんはそのまま家へと籠もってしまい、オオカミとピノキオが開かない扉に困ったところで再びクイズが始まりました。

二回目のクイズは音を聞き、その音を正しい順番で鳴らしていくというものでした。音を使ったクイズというのは新鮮で、実際に薪割りや井戸などを使い行動を起こして解くのは動きがあって面白かったです。二問目は少し長く覚えるのが大変そうでしたが、二人で協力して見事成功し、景品として空気清浄機が贈られました。

無事に扉を開けることができたオオカミとピノキオは、挟み打ちをして黒ずきんを追い詰めます。逃げられなくなった黒ずきんは、オオカミを殺そうとしたのは黒ずきんのお婆ちゃんを殺されたからだ、とオオカミへの憎しみを明かしました。このときの黒ずきんの気迫は凄く、どれだけオオカミを憎んでいたのかがよく伝わりました。しかしオオカミは生来のベジタリアンであり、もちろんそんなことはしていません。最初は疑っていた黒ずきんでしたが、ピノキオの鼻が伸びなかったことでそのことを信じました。

本物の赤ずきんは海賊に引き渡したと聞いて絶望しかけたオオカミでしたが、海賊の特徴を聞くとそれがショーンではないかと思い至ります。まだ助けられるかもしれないという希望を持ったオオカミはそのままショーンに会いに行きました。残された黒ずきんは自分の犯したことを後悔し、赤ずきんはもう助からないかもしれないと絶望します。しかしピノキオになだめられたことで落ち着き、一緒に二人の帰りを待つことにしました。

一方、船内にいたショーンと無事に会うことができたオオカミは、動く樽を目撃しました。ショーンはその樽が呪われているのではないかと怯えましたが、オオカミは中に赤ずきんがいると確信します。決して怖いわけではないが、と言いつつその場から逃げるように立ち去ったショーンは面白かったです。

そしてオオカミが樽を開けると、予想通り中からは赤ずきんが出てきました。あの赤ずきんが偽物であるとすぐ気づけなかったオオカミに赤ずきんは不満げでしたが、二人無事だったことに安心し喜び合います。最後に語り手が締めたところで物語は幕を閉じました。

ピノキオの鼻が伸びる特徴を生かした展開や、黒ずきんがオオカミを殺そうとした相応の理由を持っていてとても面白かったです。どのキャラも演技が凄かったのですが、険悪な黒ずきんと天真爛漫な赤ずきんの演じ分けは特に凄く、物語に引き込まれました。

クイズに参加された方にお話を聞くと、「思っていたより演劇が本格的で楽しめた」「また参加したい」とコメントをいただきました。景品の空気清浄機は自宅で使ってみるそうです。

今後、もしまた劇が行われる機会があれば皆さんも是非参加してみてください。皆さんにとっても楽しいものが見られると思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© Kogakuin Times , 2022 All Rights Reserved.